今回はそんな方へ向けての記事です。
この記事の信頼性
・Fラン大から倍率20倍消防局に合格
・消防の内部事情に詳しい
知り合いに民間から消防へ転職した方、他の公務員から消防へ来た方を知っているので、それなりに参考になる情報がお伝えできると思います。
この記事を読むことで「消防士への転職の実態とロードマップ」が分かるようになります。
この記事で解決できる疑問
・消防士への転職って実際どう?
・中途でも消防士へ転職できる?
・消防士へ転職するにはどうすればいい?
・通信講座や予備校は活用すべき?
まず先に結論です!
①消防士への転職は慎重に検討すべき
②中途でも消防士になれます
③消防士へ転職するには猛勉強必須
④基本的に予備校等は不要
それでは詳しく解説していきます!
消防士への転職の実態
【消防士への転職】給料の実態
まず給料の実態ですが、ハッキリ言って消防の給料は低所得です。
筆者の体感ですが、大卒初任給はおそらく手取り15~18万円程度。
もちろん高卒区分になるとさらに給料は低いです。
また消防士の給料は…
自治体の財政に左右されます
なぜかと言うと、消防士は市町村の職員であるからです。
少子高齢化が進みどんどん人口減少が進んでいる日本。
この勢いは今後ますます進行することが予想されるため、消防士の所得が伸びていくことは考えられません。
現実を言います…
・消防は低所得
・給料の伸びは悪い
・今後ますます下がります
・民間からの転職は年収が落ちる
しかし、全ての消防本部が低所得と言うわけではありません。
大規模消防本部では…
年収1000万も狙えます
なので消防士への転職を考えている方は、以下のような大規模・かつ組織体制が充実している本部の入庁を目指すべきです。
①東京消防庁
②政令市消防本部
③人口の多い中核市消防局
こういった消防本部では、管理職や救急隊として勤務することで年収1000万円も夢じゃありません。
地方や田舎の消防本部など、消防業界のほとんどは経済的にかなり苦しい部分があります。
なので消防士への転職を考えている方は、少しでも福利厚生に手厚い本部に入庁できるよう、慎重に選んでいただきたいです。
【消防士への転職】仕事の実態
消防士の仕事は好みや適性がハッキリ分かれます。
①ガチガチの体育会系
②やる仕事が決まっている
③非効率な伝統主義
④意外と事務処理がメイン
⑤スキルアップは見込めない
⑥究極の社会貢献ができる
消防の職業は、かなり組織風土が独特で体育会系の精神が根強く残っています。
また人命にかかわる職種なので、パワハラまがいの厳しい指導も多いのが事実。
消防はやはりイメージ通りで、アスリート出身の屈強な男たちが多いです。
・ノリで懸垂大会
・基本的に「ノー」は言えない
・気づかいできない奴は総スカン
体力的な追い込みはもちろんのこと、階級制から為るどエラい縦社会なので、上司の前ではイエスマンになるしかありません。
また消防はとにかく「気づかい」に厳しい
基本的な家事全般や雑務は若手の消防士がすべて担当します。
これらの雑用は上司に指摘される前に自分が気付いて当たり前、言われてから動くようでは一人前とみなされません。
ちなみにどれくらい厳しいかというと…(以下筆者の体験談)
これは筆者の実体験ですが、これくらい周囲に気を配って動けないようでは甘いです。
他にも訓練準備や事務処理など、とにかく予測・先回りすることを意識して過ごさねばなりません。
消防士は公務員なので、ノルマもないし業務も定型化されています。
断言しますが民間より「楽」です
もちろん危険な現場への出動や24時間体制であることなど、大変な面もあります。
しかし民間のように利益を追求する組織ではないので、企画・立案や自分だけが受け持つ業務が基本的にありません。
・決められた事務処理をこなす
・若手は毎当番家事担当
・時々出動がある
こんなイメージなので、民間から転職した方は燃え尽きてしまったり、少し退屈に感じるかもしれません。
消防の悪しき風習の一つですが、とにかく無駄で非効率なタスクが多いんですよ。
ですがその体制をいつまでも引きずっているのが消防。
また「句読点の位置がおかしい」とやらで何度提出しても返ってくる報告書、上司の好みに合わせて作る必要がある書類…。
その他にも救助大会など…
「失くしたほうが効率化する業務」
をいつまでも大切するのが消防です
なので効率重視の人や組織のロボットになれないような方は、悶々とする日々を過ごすことになります。
消防と聞くと出動している姿や、訓練をしている光景をイメージすると思います。
毎日の定型業務や届け出の受理、報告書の作成など、事務処理をこなすためにPCとお友達になるのが現実。
なので「体を動かせそうだから」などといった理由で消防へ転職すると、確実にギャップを受けます。
消防の業務は専門性が高すぎる故、スキルアップは見込めません。
なので外に出て「飯を食っていけるスキル」は絶対的に身に付きません。
また、それゆえ消防から民間へ転職する場合は、それなりの準備が必要になります。
消防で得た知識と技術は消防でしか活かせない
その上、日常の業務も定型作業ときたら、個人で勉強して資格を取るなりこっそり副業に挑戦したりしない限りスキルアップは期待できないでしょう。
ここまで消防のネガティブな側面の紹介がほとんどでしたが、もちろんメリットもあります。
特に、人名救助に携わって社会貢献ができるという点は最大のメリットでしょう。
・心臓マッサージで意識が戻る
・火災から文化財を守る
・助けた人が署へお礼に来てくれる
こんな体験ができるのは消防だけです。
やはり、人の命を救ったり事故の解決に最も近い距離で手を差し伸べられるのは消防です。
そういった面では民間では到底味わえない貴重な体験や学びが得られるでしょう。
ぶっちゃけ消防士への転職はオススメできる?
以下に当てはまる方はオススメしますが、そうでない方はやめておくべきです。
・体育会系風土が適していると思う
・メンタルが強い自信がある
・細かいことや説教は気にしない
・真面目で忠誠心がある
・組織の改革やスキルアップに興味がない
この項目に該当する方は、ぜひ消防士を目指すべきです。
ここまで読んで、消防のメリット・デメリットを知り、それでも消防士になりたいと思う方は、天職となる可能性があります。
やりがいもそのうちの一つですが、パッと思いつく限りでも消防士になる利点は盛沢山。
・休みが多い
・モテる
・収入が安定している
・周囲からのウケが良い
反対に、前述した項目に当てはまらなかった方や対照的な方はハッキリ言って相当苦労します。
具体的には心優しい繊細さんや無駄なことは嫌いな効率主義の人、向上心がありキャリアアップやスキル的な成長を望む方は消防の組織風土に染まり切れない可能性が高いです。
中途でも消防士へ転職できる?
消防士への転職は難しい?
消防士への転職はハッキリ言ってイージーです。
①公務員試験は実力採用だから
②評価基準が明確だから
③才能が不要な試験だから
もちろん、試験に向けての学習だったり時間を作っての試験対策などはそれなりに大変です。
しかし採用の評価基準が明確で「努力した奴が受かる」試験になっている点は民間と異なる部分です。
弁護士や医者になれと言われているわけではないので、そういった面では消防への転職は易しいと言えます。
消防職員採用試験の受験資格には年齢制限が設けられています。
これは消防本部によって様々なので、採用案内を確認しておく必要があります。
ほとんどの本部は20代まで
中には30代くらいまで採用している消防本部もありますが、全国的に見ても大体20代までの本部がほとんどです。
なので「消防士を目指せる期間は限られている」ことをまず念頭に置きましょう。
中途での消防士への転職は意外と多い
筆者の体感ですが、中途で消防へ入ってくる方の割合は、同期生の2~3割ほどです。
そして現在の消防は実力採用主義の傾向があります。
・高卒が欲しい時代は終わった
・とにかく力がある受験者を採用
・年齢分け隔てなく採用
なので民間経験者の採用率も昔より高く、消防への転職がしやすい時代です。
消防士へ転職するにはどうすればいい?
筆記試験のタイプを知る
まずは試験内容を知ることが重要です。
①教養試験
②新教養試験Light
③SCOA
筆記試験といっても主に上記の3種類あり、それぞれ出題の難易度や雰囲気が全く異なります。
なのでまずは受験を考えている本部がどのタイプの筆記試験を実施しているかを、採用案内を見て確認しましょう。
①問題数40~50問・120~150分
→教養試験
②問題数60問・75分
→新教養試験Light
③問題数120問・60分
→SCOA
これを目安に筆記試験タイプがどれか、おおよその予測が立てられます。
初動でタイプ選別を誤ると合格はほぼ無理ゲー化するので、ここだけは見落とさないように抜かりなくチェックしましょう。
試験日までのプランを立てる
試験タイプが判別出来たら、次は試験日までのプランニングです。
①いつから始めれば間に合うか
②何時間の勉強で間に合うか
③面接対策はいつから始めるか
④目標の設定(いつまでに何点目指すか)
計画立てて対策を進めることで、段取りが全く変わってきます。
また公務員試験合格には1000時間の学習が必要と言われており、1か月やそこらで合格を目指せるレベルではありません。
なので試験当日から逆算し、何日間・何時間の学習を確保すれば間に合うかを把握しましょう。
また「目標」の設定は重要
できれば、下記のように具体的な目標を定めましょう。
・〇月中に過去問正答率5割
・△月の模試で6割をとる
・□月からは面接対策も同時進行
具体的な目標や基準を設定しないと、自分の力が伸びているか判断がつかず、ただこなすだけの学習になりがちです。
なので「常に目的を持った学習」を意識することが重要です。
まずは筆記対策
筆記タイプを知り、具体的なプランが立ったらすぐにでも学習を始めましょう。
なのでここでは教養試験を想定した学習戦略を解説していきます。
①数的・判断推理で8割を目指す
②文章理解科目で8割を目指す
③資料解釈をマスター
④暗記科目のインプット
⑤余った時間はその他の科目
なぜこのような順番になるかというと、理由は科目ごとの出題比率にあります。
以下は教養試験で出題される科目ごとに平均を取ったものです。
数的処理:全問中35~38%
文章理解:全問中15~27%
その他:全問中35~50%
数年分のデータから算出したものなので、ある程度信頼できる値ではあると思います。
これを参考にすると、低く見積もっても数的と文章理解だけで5割の出題比率を占めています。
また教養試験の合格ボーダーは6割と言われています。
なので前述した教養対策の5ステップは、出題比率を考慮した合理的なロードマップになっているわけです。
基本的に上の5ステップ通りに学習すれば、本番で6割を狙える水準まで自然と到達しています。
公務員試験の筆記対策はとにかく時間との勝負になるので、このように効率化を追求して無駄な要素を徹底的に省いていく必要があります。
面接対策は後回し
公務員試験の鉄則ですが、まず面接対策は後回しです。
なぜなら、大体の消防本部では面接試験を2次に設けているからです。
1次試験の筆記で落ちてしまったら、話にならないんですよ。
①面接対策と筆記学習を同時進行
②どちらも中途半端な定着になる
③筆記の出来がいまいちで落ちる
焦りもあり、広く手を付けてしまいがちですが、まずは筆記試験で通過することだけを考えて下さい。
1次の筆記から2次の面接試験まではある程度の期間があります。
また、切羽詰まった状況にならないよう長い学習時間を取ることも重要です。
特に面接が心配な方は、試験対策もろもろを試験日より1年以上前から動き出すことをオススメします。
消防士への転職で予備校は通うべき?
結論から言いますが、予備校は不要です。
①予備校に通わなくても合格可能だから
②予備校利用者でも不合格者は多いから
③独学でも合格者は多いから
つまるところ、消防士になるために重要なことは結局は本人の努力次第なんですよ。
その上、予備校や通信講座の利用は高い費用がかかりますし、筆者は基本的に予備校の利用を勧めていません。
本音を言うと時間とお金の無駄とさえ思っています。
でもやっぱり独学での挑戦は不安な方や、以下に当てはまるような方は予備校も検討して良いかもしれません。
①モチベーションが保てない人
②仕事に疲れて妥協しがちな人
③筆記だけでなく面接対策もしたい人
予備校や通信講座を利用すると大金を払うことになるので、嫌でも勉強せざるをえない状況を作り出せます。
特にフルタイムで仕事をしている社会人の方が、帰宅してから数時間勉強することは中々にハードルが高いと思います。
なのでこれまで入試を経験してこなかった方や、勉強に苦手意識のある方は予備校の利用もアリです。
また東京リーガルマインド(LEC)などの大手予備校では面接対策や論作文の添削指導も実施しています。
ちなみに、それぞれの予備校の比較については『【消防士の予備校】迷ったらここ!オススメな予備校4選と目的別での選び方を解説します』の記事で詳しく解説しています。
【消防士への転職】まとめ
・消防の仕事は人を選ぶ
・消防士への転職は他と比べてイージー
・中途でも全然転職可能
・大規模消防以外は収入が絶望的
・目指すなら政令市や東京消防庁
・基本的に独学でOK予備校は不要
・でも圧倒的な勉強は必要
・合格には正しい戦略を知る必要がある
・以下の人は予備校の利用も検討すべき
→モチベが保てそうにない人
→面接や論作文の指導も受けたい人
・もし予備校を利用するなら下がオススメ
→スタディング
→東京リーガルマインド(LEC)
→クレアール
→資格の大原
いかがだったでしょうか?
この記事が消防士への転職を考える社会人の方の参考になれば幸いです。
本記事は以上となります!