今回はこんな疑問を持つ方へ向けての記事となります。
筆者のプロフィール
・倍率20倍の消防局に合格
・地元の田舎消防本部に首席合格
・警察官採用試験で180人中4位で合格
公務員試験には3回合格した経験があるので、それなりに信頼できる情報を発信できるはずです。
本記事では以下がご覧になれます
※本記事の解説は、あくまでも筆者が受験した消防本部で実際に聞かれた質問の一例です。受験先によって違いがありますので、ご了承ください。
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【消防士の面接】田舎消防本部で聞かれた質問7つ
【消防士の面接】質問①:志望動機
できれば消防士を志した具体的なエピソードがあると良いです。しかし実際にそんな体験談を持っている方は少ないですよね。ですので無理に実体験を伝えようとしなくても大丈夫です。
そんな方はまず、初めて消防士を目指そうと思った瞬間を思い出しましょう。カッコいいから、収入が安定しているから、人命救助がしたいから…などなど。
そして、そこに少し脚色を加えて話を盛りましょう。これだけで割と立派な志望動機が出来上がります。もちろん警察官や自衛官との差別化は必要ですが、ある程度の建前を織り交ぜれば案外それっぽいのが作れてしまいます。物は考えようで、裏を返せばアイデアが浮かびやすいんですね。以下が一例です。
【消防士の面接】質問②:なぜここを受験したのか
ここで面接官が聞きたいことは、数ある消防本部の中でなぜうちを選んだのかという部分です。ですのでその消防本部にしかない強みや事業を知り、他の消防本部と差別化を図らなければなりませんよね。これは各消防本部のホームページにヒントが転がっていることが多いので、ぜひチェックしておきましょう。
【消防士の面接】質問③:趣味や特技はあるか
受験者がどのようなことに興味を持ち、どういった価値観を持っているのかを聞きたいわけです。ですのでゲームでもアニメでもキャンプでも、何でも大丈夫です。自分の趣味がなぜ好きなのか、好きになったきっかけは何か、深堀りし言語化しておくことで自分の考えが明確になります。
【消防士の面接】質問④:これまでで上手くいかなかったことや挫折した経験をどう乗り越えたか
ここでは受験者の成長可能性や伸び代を見ています。困難な壁にぶつかった時にそれをどう解決していくか、自分なりに考え、どう対処していくかを聞いています。ですので解決が難しい課題に直面しても、前向きに取り組んでいく姿勢と、それをどう解消していくかを伝えることが大切です。
【消防士の面接】質問⑤:最近の国際情勢についてお聞かせください
受験者が世の中の情勢に関心を持っているか、新聞やニュースにきちんと目を通しているかといったところを見ています。さらに国際情勢をどう捉えるかといった価値観を探っているわけですね。ですので日頃からメディアをチェックする習慣をを身に付けておく必要があります。
また時事に関しては以下の参考書がかなりオススメです。これ一冊で時事関連は一通り網羅できます。
【消防士の面接】質問⑥:あらためて消防士になる決意を述べてください
時に消防士は危険な現場に向かわなければなりません。他人の命を預かったり、自分の命をかけたりといった場面に直面することもあります。そのことについての意気込みと、どのようにして危険を回避していくのかといった工夫を聞きたいわけです。「安全管理をしっかり行う意識を持つ」「自分だけでなく他の隊員と一つ一つ確認する習慣をつける」といったことを伝えることが大切です。
【消防士の面接】質問⑦:深掘り重視の面接
大まかな質問事項は上記のような感じですが、一つ一つの質問にかなり深掘りされた印象です。受験者が少なかったこともあり、面接時間も25〜30分程度と長めです。受験者一人一人をじっくり査定するようなイメージでしょうか。これに対しては自己分析を徹底的に行うことが重要です。想定されうる質問の答えを極限まで深掘りしていくといった準備が必要です。
この質問に答えられるでしょうか?おそらく全て答えられる方は少ないと思います。一つの質問に対してこれくらい深掘りをされるので、面接で準備している回答を限界まで深掘りして言語化、それを自分の頭の中で整理しておく必要があります。
【消防士の面接】倍率20倍の消防局で聞かれた質問
1分ほどで自己紹介をお願いします
「◯◯についてどう思いますか?」といった具体的な質問ではありませんね。ここではプレゼン能力があるかを見られている印象です。さらに「1分ほど」という条件付きなので、自分が伝えたいことをちょうど良い時間でまとめる力も試されます。ですので暗記に頼るのではなく自分の考えをアウトプットする訓練をしておく必要があります。またどうしても苦手な方は、あまりオススメしませんが「30秒用」「1分用」「2分用」とそれぞれ自己紹介文を準備しておくのもアリです。
諸外国に誇れる日本の文化はなんですか
ここも趣味や特技についての質問と似ていて、受験者がどういった価値観を持っているのかを見ているんですね。ですので答えはなんでも良くて、考えに説得力を持たせることと、ユーモア・独創性が求められているのかなと思いました。答えは受験者の数だけ分かれるので、受験者間で優劣がつきやすい質問ですね。
働くことで得られることはなんだと思いますか
お金や社会的地位といったものが目的でなく、消防士になった本当の理由を聞いているのかなといった印象を受けました。公務員というステータスや安定した収入ではなく、「達成感」「やりがい」といった答えを求めているわけです。消防士になる熱意、本質を問う質問です。ですのでお金やステータスも答え的には間違いでないですが、ここでは働くことで得られる充実感にフォーカスして答えることが重要です。
人生の成功体験について聞かせてください
この質問では、素晴らしい実績ではなくそれに至ったプロセスと努力を聞きたいわけです。ですので成功体験はなんでも良いので、苦労した経験をどのように工夫して、試行錯誤して成果につなげたかといった部分を具体的に伝える必要があります。こういった質問の回答は事前に準備できるので、自分だけの鉄板努力エピソードを1つ持っておくと良いです。
併願状況を教えてください
変に嘘をつくのではなく、正直に答えた方が無難です。また他の併願先に合格している場合、「どっちも受かったらどうするの?」と聞かれることもあると思います。もちろんその時は「貴消防本部です」と答えましょう。嘘も方便です。
あっさりした面接
質問数は5問で、試験時間は大体8〜12分程度とあっさりした面接でした。特に深掘りもされず、あらかじめ用意していた質問を、淡々と受験者に投げかけていくような印象です。受験者が多く、時間が限られているためこのような措置をしたのだと思われます。
試験時間が短いためここで他の受験者と差をつけるには、やはり「光る」必要があるなと感じました。いかに面接官に顔を覚えてもらえるか、インパクトを残せるかが合格の鍵を握っていると思います。倍率の高い受験先ではただ「良い面接」をしても合格できません。詳しくは過去の記事で解説しています。
また質問に関しては、面接ノートを暗記しているだけでは答えられないような、想定外な質問が飛んできた印象です。「落ち着いて準備してきた答えを言えれば大丈夫!」といった考えは通用せず、その場で考えて表現する対応力が求められます。
面接試験対策
面接ってそもそも…
質問にただ答えることが面接ではありません。面接官が何を意図してその質問をしているのか、面接官が聞きたいことは何か、採用側の気持ちを汲み取ることが重要です。また、言葉のキャッチボールをしっかり行う意識を持ちましょう。実際の試験では緊張感や焦りで的外れなことを言ってしまったり、何を言いたいのか分からない、まとまりのない答えをしがちです。
対策
面接ノートの暗記はNG
自分の言葉で表現する訓練をしましょう。面接ノートに書いてあることは、骨組みを頭に入れておく程度に留めた方が良いです。その上で、骨組みに肉付けをしてアウトプットするといった練習が効果的です。
緊張しすぎない
試験だからと変に身構えず、自分の良さを知ってもらうつもりで面接に臨みましょう。「ここは自分の良さを知ってもらう場なんだ」「時間の許す限りアピールしておこう」というくらいの対談をイメージすると良いです。もちろん、アピールしたいからと言って喋りすぎたりするのはNGです。空気を読んで落ち着いて臨むことが重要です。
黙り込まない
分からない・難しい質問に黙り込むのは避けましょう。そんな時は素直に時間をいただいていいか聞いてしまった方がまだ好印象です。「考えをまとめるので少々お時間をいただいてもよろしいですか?」というような聞き方をすれば問題ありません。頭が真っ白になってパニックにならないよう、常に冷静に臨めるよう、事前に面接練習の数をこなすことも大切です。
事前準備
他の消防本部との差別化
数ある消防本部の中で、なぜそこを選んだのかといった理由を明確にしておきましょう。特に地元以外の本部を受験する場合は、ほぼ100%聞かれると思ってもらっていいです。ホームページに目を通すなどして、その消防本部しか行なっていない事業や強みを知っておくと、良いアイデアが浮かびやすくなります。
庁舎見学に行く
庁舎見学や職場体験などを通して、実際に受験先の消防署に足を運ぶことをオススメします。庁舎見学のメリットは沢山あります。
要するに「根回し」を可能な限りしておくということです。ですので試験までまだ時間のある方はアポを取って足を運びましょう。とにかく受かることに貪欲になって、受かることに固執しましょう。どうすれば印象を良くできるか、またどうすれば一点でも他の受験生に差をつけられるかを徹底的に拘って、やれることは全部やっておくことをオススメします。
消防法を知る
消防法は「消防とは?」といった根本的な部分に触れた法律です。これを知っている受験者は意外と数少ないです。例えばですが、消防士と警察官の違いをすぐに答えられますか?こういった所を抑えられていない受験者が沢山います。その中で、消防とはどんな組織なのか、どんな業務に従事するのかをきちんと把握してますよってことをアピールできれば、それだけでアドバンテージになります。
まだ消防士でもない受験者と現職の人では職業観にギャップがあります。ですので、こういった違う角度からの視点を持っていると「この子は他の子と違う!」という印象を与えられます。
【消防士の面接】質問のまとめ
・ただ答えことが面接ではない
・暗記はNG、自分の言葉で表現しよう
・面接官の立場になって考える
いかがだったでしょうか?
本記事で取り上げた質問事項はあくまでも一例です。本部によって、求めている人材や配点等が異なる場合、評価基準も異なるケースもあります。ですのであくまでも参考程度にしていただけると幸いです。
面接試験は聞かれた質問にただ答えることが全てではありません。大切なのは質問の意図を汲み取ること、面接官の聞きたいことは何かを読み取ることです。つまり合格への近道は、面接官の立場になることだといえます。今回の記事が消防士を目指す方の参考になれば幸いです。本記事は以上となります!
最後までご覧いただきありがとうございました。