今回の記事はこんな疑問を持つ方へ向けての記事です。
筆者のプロフィール
・元消防士で現在はフリーランス
・消防の内部事情や実態に詳しい
・24時間勤務体制で働いてました
なので消防の勤務体制については詳しく解説できます。
これから消防士を目指す方、あるいは彼氏や気になっている知り合い消防士の実態を探りたい乙女の方は必見です。
本記事を読むことで以下が分かります
・消防士の休みは多いのか
・消防士の休みが多いと言われる理由
・勤務体制やシフトはどうなっているか
消防士の休みは多い?
【結論】めちゃくちゃ多い
ハイ、消防士の休みはめちゃくちゃ多いです。
まずは以下の表をご覧ください。
2交代制の場合
3交代制の場合
ちなみに「非番」と「週休」の日は休みと思っていただいて問題ありません。
そうすると月10回前後の勤務となり、その他の日はお休みです。
まずもって、この勤務体制こそが消防士は休みが多いと言われる理由ですね。
表を参考に2交代制は当番→非番→当番→非番→週休→週休となるシフト。
3交代制は当番→非番→週休→当番→非番→週休となるシフトです。
どちらの勤務体制を採用しているかは消防本部によって違います。
非番と週休の違い
非番=待機
週休=休日
厳密に言うと、非番は災害が起こった場合に呼び出しがかかる「待機状態」の日です。
しかし呼び出しがなければ次の当番日までは基本フリーになります。
何も無いことがほとんどなので休みのようなものですね。
非番に対して週休日は完全なお休みです。
サラリーマンで言う土日のような正式な休日といった認識で良いでしょう。
週休日は非番とは違い、よっぽどのことがない限り招集はかかりません。
この週休日は民間企業と同様、月に8日以上設けなければならない規則となっています。
これら非番と週休が月の3分の2を占めているので、休みがめちゃくちゃ多く感じるわけですね。
非番でも招集はほぼない!
非番の招集頻度は月に1~2回あるかないかくらい
参考までにですが、私が所属していた消防署では月に1回あるかないかでした。
これは所属する消防本部や各署の事情によって差はありますが、基本的に招集頻度はこのくらいだと思います。
というのも、なるべく全職員が平等に招集されるよう気を使っている本部がほとんどだからです。
「Cさん家から遠くて可哀そうだからDさん呼ぼう」
実際はこんな感じで忖度と調整をかけながら招集します。
実際は「休みが多く感じる」だけ
ここまで散々消防士の休みの多さについて語ってきましたが、実際は休日数が多いわけではなく「多く感じるだけ」という言い方が正しいんです。
実際に数字で見ると分かりやすいと思います。
民間企業
8時間勤務×月22日=176時間
消防
16時間30分×月10~12日=165~198時間
※互いに残業等はカウントしていません。
消防の実際の勤務時間は24時間ではなく、休憩と仮眠を除いた16~16時間30分としている本部がほとんどです。
要するに民間で働く8時間の仕事を一気に2日分やってしまおうというのが消防の勤務体制なんですね。
24時間勤務者の勤務日数は月によって変わりますが、9~12日/月が一般的です。
なので働く時間自体は民間と同じですが、非番と週休の制度によって「休みが多い」と感じることが真相です。
実際には休憩時間でも仮眠時間でも出動が入れば現場に向かいますので、消防の方が勤務時間は多いと言えるまであります。
有給を取ると最強
さて、有給を取った場合はどういうシフトになるでしょうか?
答えは下のような感じです。
2交代の場合
3交代の場合
ハイ、楽勝で5連休が取得できます。
このように簡単に5連休が取得できてしまうことも消防士は休みが多いと言われる理由です。
民間企業の二日分の勤務が有給となるので、翌日の非番も有給日になるんですね。
また消防士は公務員なので福利厚生が手厚く、1年目から十分なほどの有給日数が与えられます。
さらには働き方改革の後押しにより、最近では積極的に休みを取るよう言われる場所が多いです。
【消防士のお休み事情】勤務体制やシフトはどんな感じ?
A.24時間勤務と日勤で分かれます。
24時間勤務者のシフト
24時間勤務者のシフトは「2交代制」と「3交代制」というものに大別できます。
2交代制
3交代制
こんな感じで24時間勤務者の休みは不規則であることが分かりますね。
3交代制の場合は所々に日勤の日が設けられており、これで2交代制のトータル勤務日数と帳尻を合わせています。
ですので年間を通しての総勤務日数は2交代と3交代、ともに同じになります。
また消防士の中で24時間勤務者の割合は全職員の8割ほどです。
残りの2割は民間のサラリーマンと同じく8~17時の日勤者で構成されています。
消防士は24時間勤務者だけじゃないんですよ。
日勤者のシフト
日勤者のシフトは土日祝が休みの8~17時の労働となります。
ですので土日は基本的に休み、年末年始なども休みです。
「土日休みの消防士?」
「消防士は24時間勤務でしょ?」
「あの人本当に消防士なのか怪しい!」
こういった勘違いをされる方が時々いらっしゃいますが、消防士にも日勤者はいます。
消防士の全員がみんな24時間勤務というわけではないんですよね。
消防士はなぜ休みが多いと言われるの?
消防士の休みが多い理由①:月の勤務回数は10回前後
月の回数が10回程度って、かなり休みが多く感じられると思います。
もう一度消防士の勤務シフトを見てみましょう。
この調子でサイクルが回っていくと、月の勤務回数が大体10回前後になります。
消防の月の勤務回数は「2当番」と「3当番」の割合で少し変わってきます。
2当番とは「当番→非番→当番→非番→週休」のような感じで当番が2回続いた後に休みが入るばあいのシフトです。
これを業界用語で「2当番」と呼びます。
2当番の例
これとは別に、当番が3回続いた後に休みが入る場合は「3当番」と言います。
3当番の例
そしてこの2当番と3当番は不規則にやってくるんですね。
実際のシフト
不規則に続くほかにも、2当番ばかり続く月もあれば3当番ばかり続く月なんかもあったりします。
そんなわけで、2当番と3当番の割合が月の勤務回数にズレを生んでいるわけです。
すると9~12回勤務/月に収まるので、大体10回前後ということになります。
これが消防士は休みが多いと言われる理由の一つです。
消防士の休みが多い理由②:勤務明けは24時間フリー
24時間勤務者の仕事明けの日を「非番」と言います。
一言で言ってしまうと、ほぼ確実に丸1日休みみたいなものになります。
ジムに行っても良し、日帰りで温泉に行くも良し、家族とのんびり過ごすのも良し…
非番は正式には「待機」が命じられている日です。
つまり災害等があれば署に招集がかかる場合があります。
1日じゃ火を消せないような大規模火災や、大災害によって各地に派遣されたりする場合は非番が潰れてしまうこともありますね。
これとは逆に完全なお休みである「週休」は招集がかかりません。
民間企業で言う「土日」、いわゆる正式な休日ということになります。
非番と週休の違いは、待機か休日か!
ザックリ言うとこの程度の感覚です。
また非番日は、待機だからと言ってずっと自宅に居なきゃいけない訳じゃありません。
その辺の自由は確保されているのでご安心を。
ただし県外に出る場合は事前に届け出を出さなくてはいけません。
万が一、招集をかける場合に支障が出てしまうからです。
消防本部によっても差がありますが、招集頻度はかなり少ないと思います。
筆者の元所属では月に一度あるかないかくらいでした。
もちろん都会と田舎では招集頻度も違ってきますが、大体同じくらいの頻度に落ち着くと思います。
というわけで非番は24時間フリー、招集も滅多にかからないので自由に過ごせるということが、消防士は休みが多いと言われる理由の2つ目です。
消防士の休みが多い理由③:有給で5連休の取得が楽勝
消防士は休みが多いと言われる理由の3つ目は、有給で5連休の取得が簡単にできてしまうからです。
実際の表を参考に、2交代の場合と3交代の場合で有給を入れてみましょう。
2交代の場合
3交代の場合
やっぱり余裕で5連休が取れてしまいます笑
ちなみに有給日数は1年目から大体10当番分くらいは貰える本部が多いです。
毎月5連休も十分可能です!
有給とは別に他に「夏季休暇」も数当番分貰えます。
するとトータルで取得できる休暇日数は、おそらくどの消防本部も15当番前後になると思います。
なので月一回5連休を作っていくことも理論上可能なわけです。
※有給の取りやすさは消防本部の事情にも左右されます。
ちょっとした旅行に行けますし、なんなら海外に行くこともできます。
実際には人員の関係や上司からの圧力もあったり、有給日数をすべて消化することは難しいですが、時代は変わりつつあります。
働き方改革の後押しもあり、有給消化に積極的な傾向です。
月の勤務は10回ほど、加えて有給を取るとなれば尚更休みは多くなります。
かくいう私も、仕事に出る回数が少なすぎて友人から「フリーター」と噂されたことも笑
しかし休みが多くて良いに越したことはありません。
資格の勉強や公務員でもできるちょっとした副業にも挑戦できるチャンスがあります。
【消防士の休み】まとめ
・消防士の休みは多い!
・勤務明けは24時間基本フリー
・5連休が簡単に作れる
・月の勤務は大体10回
・でも実際の労働時間は民間と同じ
いかがだったでしょうか?
消防士の勤務シフトがイメージできたなら幸いです。
消防士は休みが多いと言われますがまったくもってその通りです。
しかし実際のところ、労働時間は民間企業と同じなので休みが多く「感じる」という言い方が正しいでしょう。
断言しますが、休みの多さなら右に出る職業はないでしょう。
休みが多い仕事がいい、多少きつくても自分の時間が欲しいという方にはとてもオススメできる職業です。
見えない部分の苦労や大変なことは多いですが、それはどの職業でも同じですよね。
それを踏まえた上でも、消防は休みが多くスキルアップや趣味に時間をあてることができ、プライベートの充実も得られると思います。
本記事は以上となります!