今回はこんな疑問を持つ方へ向けての記事となります。
筆者のプロフィール
こんにちは、にえふです。私は某消防局で勤務していた元消防士で、現在はブログの運営や物販を営んでいるフリーランスです。現在はネットビジネス事業の起業に向け、奮闘中です。
今回は元消防士の私が、消防士の給料や手当について解説していきます!
本記事では以下がご覧になれます
※本記事に記載されている情報は、あくまでも一例です。各消防本部によって差がありますので、参考程度にご覧いただけると幸いです。
給与明細公開
これは私の初任給です。
いかがでしょうか?
初任給でこれだけ貰えているのは、国内の消防本部でも間違いなく上位です。この初任給でも消防の業界ではトップ層なので、収入面では民間企業に敵わないというのが現状です…実際のところ、一概には言えませんが、大卒手取りの最頻値はおよそ16~18万円くらいになると思います。
消防士の給料の実際
本部によって差が大きい
消防士の給料は、どの消防本部に所属するかで給料がかなり大きく変わってきます。というのも消防士の給与は、自治体の財政に左右されるからです。消防士は市役所で働く職員のような、市町村の職員の一種にすぎません。ですので市町村の景気が潤っていなければ、消防士の収入も減ってしまうんですね。
そしてこの給与格差はかなり激しいものがあります。私の初任給は約21万円ですが、他の消防本部に所属していた消防学校の同期性は、高卒手取り12万円という仲間もいました。同じ都道府県内でも初任給にこれだけの差が出てしまいます。同じ生活や同じ仕事をしているのに、これだけの格差があるのは少し問題ですよね。ですので消防士になって少しでも多く給料が貰いたいのなら、受験する本部を慎重に選択する必要があるんですね。
消防の給料は厳しい
営業職や大企業なら実力次第である程度収入を伸ばすこともできますが、消防はそうもいきません。年功序列制度ですし、月にもらえる額が一律で決まっています。ですので安定している分、高収入は見込めない職業というわけです。
収入重視なら民間企業をオススメします
給料がいい消防本部もありますが、それでも中年層の年収は600~700万円というのが関の山だと思います。若手の給料はもっと低いです。また最近は消防職員採用試験の倍率が高い傾向にあり、必ずしも採用される保証はありません。何年間も公務員対策をしてひたすら勉強しても、受からない人がいるのは事実です。嫌な思いをして毎日何時間と試験勉強に費やすより、企業分析して収入の良い民間企業に入ってしまった方がよっぽど効率的ですし、お得です。
消防士の給料手当
A.主な手当てには夜間勤務手当、出動手当、時間外勤務手当などがあります。
・夜間勤務手当
・出動手当
・時間外勤務手当
ここでは実際に配属後の給与明細を見ながら確認していきます!
夜間勤務手当
給与明細では「夜間手当」と表記されていて、この月は8,418円の手当が付きました。これは夜間勤務に従事することで貰える手当です。消防士は24時間勤務なので、深夜帯も受付で窓口対応に従事しなければなりません。夜間の窓口対応の時間帯はグループ分けされており、日替わりでローテーションしていきます。
一例ですがこんな感じです。これも消防本部によって違いがあります。おおよそ21~22時くらいから仮眠時間に入りますが、夜間勤務帯は起きていなければならないので、寝不足になります。筆者の所属していた消防局だと、この手当で大体月1万円前後のプラスになりました。
出動手当
出動一回あたりに発生する手当です。給与明細では「日額特勤手当」と表記されていて、2,750の手当が付いています。私の所属だった本部では出動一回につき250円の手当が付き、救急隊の出動は500円でした。ですので私はこの月、消防隊として11回出動したことになります。ちなみに救急隊は出動回数が多く、この手当でかなり収入を底上げできたりします。1当番につき8回の出動、月に10回ほどの勤務と仮定すると、500円×8回×10当番=4万円ほどになります。一年で換算すると50万円ほどの差が出るんですね。ですので消防士になりたい方で収入を増やしたいなら、救急隊を目指すのも手です。またこの手当は本部によって特に差が大きいです。
時間外勤務手当
仮眠時間や休憩時間での出動、休み中の招集などに発生する手当です。給与明細書では「時間外手当、休日勤務手当」に該当します。この月、時間外手当は0円なので運よく仮眠中や休憩中に出動が入らなかったことになります笑。さて、注目すべきは「休日勤務手当」の方です。
休日勤務手当は、祝日に当番日が重なった際に発生する手当です。給与明細では41,496円の手当が付いています。これがめちゃくちゃ美味しいんです。この月は二日間だけ祝日勤務をしています。それだけで4万円を超える手当が付いているんですね。またゴールデンウィークや年末年始は連休が続きますよね。ですのでそういった祝祭日が続く月はフィーバータイムに突入するわけです笑。夜間勤務の時間帯や週休によるズレ込みなど、様々な要因でもらえる額は変わりますが、一回の祝日勤務で約2~3万ほどの手当が付きます。この手当も消防本部によって差がありますし、そもそも祝日勤務手当がない本部もあります。
消防士を目指すなら
A.東京消防庁一択です。それ以外なら政令市消防局に進みましょう。
目指せ東京消防庁
日本で規模が一番大きい消防本部は東京消防庁です。福利厚生、消防力、何をとっても間違いなく国内最強です。ですので収入を重視する消防士を目指す方は、現状東京消防庁一択になります。
上京が無理なら政令市消防局
そんな方は政令市の消防局に進むことをオススメします。政令市は発展した都市だけあって、規模も大きく給料も高い傾向にあります。その上、市の財政も潤っているので福利厚生面も充実しています。以下は各自治体のホームページ(令和3年度採用試験要綱)を参考にし、いくつかの政令市消防局の初任給をまとめた表です。
大阪市消防局 | 大卒:212,744円 高卒:181,076円 |
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名古屋市消防局 | 大卒:216,200円 高卒:181,700円 |
さいたま市消防局 | 大卒:223,445円 高卒:185,035円 |
横浜市消防局 | 大卒:217,152円 |
神戸市消防局 | 大卒:206,800円 |
相模原市消防局 | 大卒:234,752円 |
京都市消防局 | 大卒:214,940円 院卒:226,380円 |
このように政令市は20万円を超える初任給が狙えます。また数は少ないですが、政令市以外にも初任給が高い本部もあるので、要チェックし受験先は慎重に選ぶ必要があります。
消防士は高給取りではない
消防は決して高給取りな職業ではありません。というのも利益を追求する民間企業とは違い、消防は市民サービス(公益)を提供する組織だからです。火災の鎮火や救急搬送などに市民から料金をとるのは良心的ではありません。そういった背景もあり、市民からいただいた税金をありがたくいただいて、消防業務に従事しているわけです。つまり公共の利益を目的とした消防は、民間企業の理念とは根本的に相反しているんですね。安く定まると書いて安定です。ですので年功序列でしか給料が上がっていかないということもあり、歩合制などの企業よりどうしても収入は落ちるんですね。
まとめ
・消防士の給料は手当は良いが決して高くないし格差がヤバい
・収入重視なら民間企業に進むべき
・消防士を目指すなら東京か政令市
いかがだったでしょうか?
消防士の給料は本部によってだいぶ格差があるということがご理解いただけたと思います。確かに手当ては充実していますがベースとなる給料が低く、年功序列でしか昇給は見込めません。ですので収入を重視する方は、民間企業に進むべきです。消防士を目指す方は、所属する本部によって今後の人生が大きく左右されるので、ぜひ慎重に検討していただきたいです。今回の記事が消防士を目指す方や、消防士の給料に興味を持つ方の参考になれば幸いです。
本記事は以上となります!最後までご覧いただきありがとうございました。