消防学校ってどれくらいキツいの?入校が不安です…
キツかった訓練は何?
乗り切るためのコツが知りたい!
今回はそんな疑問を持つ方や、入校が不安で仕方ない!と言う方へ向けての記事となります。
こんにちは、にえふです。
私は某地方都市消防局に勤めていた元消防士です。
現在は消防を辞め、ネットビジネス事業の起業に向けてブログ運営や物販などをしています。
にえふの経歴
ですので公務員試験を3回合格した経験があります。
今回は元消防士の私が消防学校のキツさや地獄の半年間を乗り切るコツについて解説していきます!
本記事では以下がご覧になれます
消防学校のキツさ
A.結論から言うと消防学校はめちゃめちゃキツいですが、ガチの運動部経験者なら思ったほどじゃないと思います。
これはあくまでも体力面での話です。
消防学校は単にキツいってだけではなく、精神的な負荷も相当なものになります。
ですので消防学校の時点で辞めてしまう同期生は、体力面よりも精神面での疲れが原因であることが多いです。
とはいえ消防士の離職率は低いので、ほとんどの方が乗り越えられる程度の厳しさだと認識しています。
極端に不安に思ったりする必要はないので安心してください!
どれくらいキツいのか?
熱中症は当たり前で毎日訓練で脱落者が出ます笑
特に7〜8月の真夏の訓練は脱水症状とお友達になりますので、倒れる者も珍しくありません。
一瞬気を抜いてしまうとベッドの上ですので、そうならない工夫や「サボり」が必要になってきます。
肉体的にも精神的にも過酷
基本的に人じゃない扱いを受けますので、監獄だと思ってもらうとイメージが湧くと思います笑
月曜日から金曜日までは原則外出禁止で学生寮で過ごすことになるため、気を休める時間がほとんどありません。
また同期生と集団生活を強いられるので、一人の時間を作ることもできません。
寮に戻る前日(日曜日)は憂鬱な1日を過ごすことになります笑
都道府県によっては携帯電話の使用の禁止や、入校から1ヶ月は自宅に帰れない、なんて規則がある場所もあります。
色々な面で精神的なストレスが強くかかるので、土日の発散の仕方が重要になってきます。
キツい訓練ベスト3
「特に厳しいと思った訓練は何?」
個人的にキツいと思った訓練を3つ紹介していきます。
3位 体力錬成
私の入校した県の消防学校では、訓練前に必ず体力錬成と称したサーキットを行います。
ランニング1.5kmの後に腕立てや腹筋などを100回ずつやるんですね。
ただこなすだけなら運動が得意な方であれば余裕だと思います。
しかし訓練前に行うのでかなり体力を持っていかれてしまい、それ以降ジワジワと効いてくるんですわ笑
ポケモンでいう毒状態のような感じです。
ですので訓練中に電池切れを起こして倒れてしまう学生も少なくありません。
ちなみに午前午後と訓練の日は、2回行う羽目になります。
2位 渡過訓練
渡過とはいわゆる「綱渡り」です。
渡過にも色々な種類がありまして、セーラーやモンキーと言われるものが代表的です。
画像
これがまあ半端じゃないキツさで、渡り終えた頃には前腕がパンパンになります。
実際には握力が尽きて途中で落ちてしまい、教官に助けられる学生も山ほどいます。
しかし渡過訓練の時の教官はなぜかやたらと気合が入っていて、宙ぶらりんの状態で怒鳴られます笑
「人を助ける側だろうが!」「お前が助けてもらってどうすんだ!」「要救助者が待ってんだよ!」
極限の状態で心をへし折ってくるので、もう半泣きです笑
1位 真夏の応用訓練
応用訓練は、放水や人命救助を具体的な現場想定をして行う訓練です。
例えば…
・2階建ての木造建築物、逃げ遅れ一名有り、意識はない模様、炎上中につき階段は使用不可
・2階建て耐火造建築物、逃げ遅れ不明、二階から火煙噴出中、1階部分は濃煙により視認不可
こんな感じの訓練設定を教官が提示してくるので、学生たちは今まで学んだ技術や知識を応用して救出を行うといった訓練です。
この訓練、ただこなすだけならまだしも暑さにやられてしまうんですよね。
特に8月以降は余裕で気温が30℃を超えてきますし、総重量約20kgの装備をまとって30分~1時間くらい動きっぱなしになります。
これを一日に何想定も繰り返すので、脱水症状でほぼ毎日倒れる学生が出てきます。
常に倒れるかどうかのギリギリラインで活動することになるため、油断するとすぐ倒れます。
乗り切るためのコツ
一見地獄のような消防学校でも、上手く乗り越えるコツがあります。
以下は「なるべく教官に怒られないようにするには」、「心や体をパンクさせないためにどうすれば良いか」という観点で解説していきます。
常に全力で突っ走ってくると心も体もパンクしてしまいます。
もちろん半年間を全力疾走できるのならそれに越したことはありませんが、抜くところはしっかり抜くことも重要になってきます。
あまり良くない言い方をすれば、上手くサボるということです笑
バレないように保冷剤を仕込む
あくまでも絶対にバレないことが前提ですが、防火衣の背中や活動服の内側に保冷剤を仕込んでおくと熱中症を軽減できます。
ガムテープで貼るなり、クールベストなるものを身に着けたりいろいろ工夫できます。
しかし万が一倒れてしまった場合、体の熱を逃がすため教官に防火衣や上着、ズボンを引っぺがされます笑
そうなってしまうと隠しようがないので、やる時は絶対に倒れないことを条件に挑戦してください笑
また、水分をしっかり摂っておくことも重要です。
実際には水分を摂ってから数時間立ってようやく体に吸収されるので、訓練が始まってから小まめに摂るのではなく、朝起きた段階からある程度摂っておくと良いです。
午前中から訓練がある場合は、少し早起きして水分を摂ることをオススメします。
周りに流されない
消防学校での勤務時間は日勤扱いになるので、正式には5時でまでが仕事になります。
しかし学校では覚えることが多いため、大体の学生はその後夕食や入浴を挟んで就寝時間ギリギリまで訓練をすることになると思います。
仲間内での雰囲気だったり、訓練で仲間に迷惑をかけないようにといった義務感から、自分の大事な時間をつぶして訓練に参加している学生は非常に多いです。
確かに自由時間を使って訓練をするのは良いことなのですが、自分で自由に使う時間も大切です。
周りに流されず、時には息抜きのために訓練を休んで疲れを取りましょう。
その時は「周りがやってるのに…」といったプレッシャーを感じる必要はありません。
前に出過ぎない
とにかく新しいことが次から次へと入ってきます。
その日にやった訓練や座学で学んだ知識を吸収していく日々の繰り返しになります。
ですので、物覚えが悪かったり不器用な学生はかなり苦労します。
よくない言い方をすると「引っ込み思案」になることで上手く立ち回ることができます。
訓練中「誰かやってみたいやつはいるか?」と教官から言われたら、積極的な学生の陰に隠れるということです笑
説明するまでもありませんが、あまりオススメはしません。
次の見出しで詳しく説明しますが、消防学校は「失敗する場所」だからです。
消防学校は失敗する場所
消防学校は失敗したほうがいい
今のうちに失敗をしておかないと、所属に戻って苦労するからです。
消防学校は教官や施設など、安全が確保された場所で訓練ができます。
しかし所属に戻って現場での活動になると、常に命をはらなきゃいけなくなります。
ですので学校で学んだことが所属での訓練や現場で出来なかったら、先輩上司に嫌というほど可愛がられます。
そうならないためにも、たくさん怒られてたくさん失敗して、一人前の消防士になって学校を卒業する必要があるんですね。
教官は確かに恐いですが、消防学校の期間はせいぜい半年程度です。
キツい半年間になりますが、一度本気になって取り組めればその後が楽になります。
今後の消防人生を左右する
消防学校での過ごし方はその後の消防人生と相関があります。
常に成績上位を狙って勉学や訓練に励んで来た学生は、所属に戻ってからも出世しやすい傾向にあります。
また、消防学校の成績が優秀であれば所属の上司に推薦してもらえることだってあります。
必然的に上層部からの評価も良くなるので、色んな面で消防人生が有利になるのです。
規模の大きい消防本部で、やりたい業務や入りたい課がある場合、他の職員に埋もれてしまわないよう良い意味で「目立つ」必要があります。
そういった時にも消防学校の成績や普段の勤務態度が武器になるんですね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
消防学校は確かに厳しい場所ですが、上手く乗り切る手段はたくさんあります。
しかし所属に戻ると学校以上に厳しい経験をすることもあります。
ですので、消防学校では半年間だけ本気になって取り組んだ方が後々苦労しません。
学校での過ごし方は今後の消防人生に大きく影響するので、これから入校をひかえている方には、ぜひ前向きに望んで欲しいです。
本記事は以上となります!
最後までご覧いただきありがとうございました。